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自殺に傾いた人への支援

こんにちは、ナビの東です。

やっと暑さが和らいで、秋の訪れを感じられるようになりました。過ごしやすい気候が続けばいいですが、急な気候の変化などで体調を壊さないように気をつけていきましょう☺

8月29日(木)にこころの健康センターで行われた「自殺に傾いた人への支援」というテーマで傾聴と危機介入について、認定NPO法人国際ビフレンダーズ大阪自殺防止センター理事長の北条達人さんの講演会を聴きに行ってきました。

現在の日本における自殺の現状として、2018年の自殺者数はその前の年よりも723人少ない2万598人(およそ3.4%減)で、9年連続で減少しているとのこと。

日本財団自殺意識調査2016では4人に1人が過去に本気で自殺を考えたことがある、5人に1人は身近な人を自殺で亡くしているそうです。その原因は4つ以上あると言われており、いろんな問題が重なり、どうしようもないと追い詰められ、自殺にいたるそうです。

また今回とても興味深かったのは「じさつ」にもさまざまな表現の仕方があることです。

「希死念慮」「自殺念慮」「自殺願望」「自殺企図」「自殺未遂」「自殺既遂」あとの言葉になるにつれて自殺の危険度は高くなるそうです。「自殺未遂」と「自殺既遂」は実際に自殺行為を実行した際の言葉です。他にも「自害」「自決」「自尽」「自刃」「自栽」の表現もあります。

また自殺で身内を亡くした遺族から「自殺=身勝手だという偏ったイメージがある。「殺」に負のイメージがある」ということで「自殺」ではなく「自死」という言葉を使うこともあるが、実際に自殺をしようとした当事者からは「自死」という言葉は軽い。自分が味わった苦しみは「自死」以上だから「自殺」と言ってほしいという意見もある。人によって使い分けが必要であるということが、とても興味深かったです。また自殺願望がある人は「死にたい」という表現だけとは限らない。「お父さんに会いたい」など直接的な表現を使わない人もいるとのことです。

自殺を考える人に対し「辛い人はもっとたくさんいる」「あなただけが辛いんじゃない」という言葉を言いがちだけど、これはタブーです。というのも、当事者の方々は「命を大切に思うからこそ生きていけない」という方も多く、死を望んでいるのではなく、今生きることが辛かったり、現実が苦しすぎること。死んだ方が楽だと考えてしまう。もっと上手く生きたいのに理想の生き方ができない苦しさや、生きてる意味が見つからない等、どうしても生きることがしんどくなって「自殺」を考えてしまうとの話で、聞いていてとても辛く悲しい気持ちになりました。

「そんなことで悩まないで」なども禁句で、本人の苦しみは他人に判断できるものではないと思うし、本人の苦しい現状をまず受け止めることが大切なんだと思いました。

もし身近に本気で悩んでる人がいたらどうしたらいいか。悩みを聴くのは専門家じゃなくてもいいと北条先生はおっしゃいました。友達としてそばにいることが大切で、当事者にとってより近い存在であることが大事だそうです。思い切って一歩踏み込んで「自殺とか考えてる?」と聞き出すこともありなんだそうです。その代わり一度受け止めると決めた以上は最後まで責任をもって話しを聞くこと、上下関係にならないようにすることが大切だとのことです。相手の感情に焦点を当てて、悩みをよく聴き、誰にも言えなかったつらい気持ちをしっかり聴いて批判や助言をせずに受け止めることを意識的に行うようにしていけたらなと思いました。

どうしてもアドバイスしようとしてしまったり、「もっとつらい人はいる!そんなことで悩むな!」と言ってしまいそうになる気持ちを抑えて、かつ上から目線にならないようにするということがとても大事だなと思いました。

そして誰にも言えなかった気持ちを打ち明けてくれたときには自分に出来ることで精いっぱい受け止めていけるようにしていけたらなと思います。

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