Home  日々の活動  大阪市は私たちの声を聞いて下さい!(DAY1)

大阪市は私たちの声を聞いて下さい!(DAY1)

12月15日、16日の大阪市オールラウンド交渉に参加しました。ちゅうぶから発言した項目を中心に、筆者(1日目小坪、2日目堀)の感想を交え紹介します。

1日目

【介護・新型コロナウイルス感染症対策について】

障大連加盟団体でもコロナ第6波、第7波では多くの感染者が出た。感染拡大期は障害者で基礎疾患があっても入院させてもらえない状況に陥り、常時介護が必要な障害者が感染すると防護服などで完全防備をしても介護者がどんどん感染してしまったという発言が相次ぎました。
ちゅうぶでもある障害者が感染した際、SPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)に問題がないため入院出来なかったケースが数件あります。あるケースでは当初介護者を4人に限定し、防護服などで完全防備をして介護に入りましたが、最終的には4人全員が感染し、陽性者が陽性者の介護をする「陽陽介護」を余儀なくされました。
自分も介護者を使いながら生活しているので「明日は我が身」という感覚があります。大阪市の場合は障害者の数も多いので難しいとは思いますが、例え軽症であっても「感染拡大防止」の観点から入院や介護者を付けてホテル療養が出来るようにしてほしいです。

【入院時の不適切対応について】
コロナ禍では、コロナ感染の入院でも、それ以外の病気での入院も外部との接触が経たれてしまい面会や入院中コミュニケーションサポートや重度訪問介護が利用できません。
ちゅうぶの渡海からも入院中に人権侵害を受けたことを大阪市に訴えました。「私は7月にコロナ陽性になり、急遽ヘルパーを付けて自宅療養をしていました。ヘルパーがいない夜間の時間に転倒することが増えたため、派遣事業所のスタッフが保健所と相談し入院しました。入院できてよかったという思いもありますが、看護師に言語障害が聞き取ってもらえずIpadで筆記してやりとり、排泄はオムツでした。あとご飯に薬(錠剤)をご飯に混ぜて食べさせられることもありました。気づいたときには混ぜられていて嫌と言えなかったがあれは辞めて欲しい。」
 自分自身、30年以上前(10歳)の時に障害児施設に入所経験があります。そこで風邪を引いている幼児に看護師がご飯に粉薬を振りかけた「ご飯」をもう少し食べてと言いながら食事介護をしている姿を目の当たりにして、子どもながらに拷問やなぁと思った記憶が鮮明に残っています。あれから30年以上が経った現在でも薬がご飯に混ぜられている実態を知りました。障害者や高齢者の介護現場では「よくある話」と聞き、人間扱いされていないと憤りを感じました。

【長時間介護、夜間介護の支給決定問題】
大阪市では今まで深夜帯(22時~6時)に対して3時間程度しか認められていませんでした。しかし労基法関係で、厚労省から「手待ち時間(急な対応が必要な場合に備え待機する時間)も労働時間である」と通知が出されました。昨年秋から大阪市で介護時間の見直しが行われていますが、現在は「手待ち時間も含めた支給決定」の対象者は「人工呼吸器利用、頻回な痰吸引、頻回な体位変換のいずれかが必要」とされています。
森園から「私は一人暮らしをしている重度の脳性マヒの者です。介護時間の見直しがされ、以前の月あたり400時間から、433時間に増えました。時間数が増えたのは嬉しいのですが、自分が必要としている時間数にはかまだ足りません。私の場合は、人工呼吸器を使用している訳ではありませんが、夜間は装具を着けていたり、就寝時の体位を保持するためや、見守りが必要です。個人個人のケースに合わせて、必要で十分な介護を受けられるようにしてください」と訴えました。
 自分も今年1月に長年の四つ這い移動の影響で蜂窩織炎になり、膿を出すため膝にドレーン(管)を1か月入れていたことがあります。その間は、四つ這いが厳禁と言われ夜間の泊り介護を入れ、トイレ介護など生活行為の大部分をヘルパーに助けてもらいました。その経験からも「それぞれに必要な介護を受けられるようにして欲しいと思います。

【グループホーム・通過型グループホーム新類型創設について】
通過型グループホームは概ね3年で退居してひとり暮らしに移行させるという新類型です。ひとり暮らしに移行することが難しい場合は他のグループホーム等に移行させることになっています。
中野から「私は16年グループホームで生活していましたが12月にひとり暮らしになりました。16年の間に障害が重くなったり、大病も患ったりした。新類型では3年という期限があるが3年でグループホームを出るのは難しいと思う。ひとり暮らしを目指すスピードは人それぞれです。3年という期限付きのグループホームを作らないで」と発言。
 交渉の中でも言われていたが、自分もグループホームに年限を設けるのではなく、入所施設に年限を設けたほうがいいと思いました。

【個別ヘルパー利用の恒久化】
厚労省が昨年の調査報告書の通り進めるならグループホームの個別ヘルパー利用は次の報酬改定で危ない状況になります。個別ヘルパー利用がなくされたり、時間数が削られる、又は特に重度の者に限られる恐れがあります。
グループホームリオ入居者の青木から「僕は個別ヘルパーを使って生活しています。今年は旅行にも行きましたし、美容院で髪を染めたりしています。それが出来るのは個別ヘルパーがいるからです。個別ヘルパー利用の恒久化をお願いします」
 毎年、同じ課題でやりとりをするが、障害者が自立するということを改めて考えてほしいと思います。
高齢者の場合は自分で出来ることを増やし、サービスを使わないことが「自立」と言われがちですが、障害者の場合は、いかにたくさんの制度や社会資源を使い、社会参加をすることが「自立」だと思います。
その意味からも個別ヘルパーは必要不可欠です。

【相談支援】
大阪市では指定相談(計画相談)事業所は毎年数十か所増える一方で、年間で20~30事業所が廃止されています。サービス利用する障害者・児が増える中で追いついておらず、セルフプランが半数となっています。指定相談事業所が不足しており相談支援基盤がいつまで保てるか分からない状態です。
 自分は毎年、「相談支援初任者研修のファシリテーター協力」を行っています。毎年何百人という初任者研修修了者が出ているにも関わらず、事業所が増えない現状を注視し、出来る対策をすべて実行してほしいと思います。

 

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