5月29日、重度訪問介護従業者養成研修
5/29(土)にNPOちゅうぶの重度訪問介護従業者養成研修の車いす外出実習を行いました。雨が降らないかが心配でしたが、幸運にも雲一つない晴天に恵まれました。
この日のコースは、あべのハルカス前で阪堺電車の線路を車いすで渡る練習をし、その後電車で大阪城まで行き、天守閣の下を経由して帰ってくる経路です。以前は難波や鶴橋の商店街に行っていたのですが、コロナ禍の今は比較的人出の少ない大阪城公園に行っています。
受講生の多くは車いすに乗ったことも、押した経験もありません。まず車いすの基本的な操作方法を教え、その後近所の公園で段差や悪路走行を練習しました。公園の砂地では、車いすでの砂地の走行がここまで悪いのかということに受講生も驚いていました。
また車椅子に乗ったときの視点が思っていたより低く、地面に近いことから中には怖いという感想もありました。
あべのハルカス前では阪堺電気軌道の線路を横断してもらいました。線路を渡る際には車いすの前輪を上げないといけず、初めは受講生もてこずっていました。前輪の上げ方は、車いすのティッピングレバーを踏んで前輪を上げるのですが、車いすを押しながらだとなかなか意識するのが難しいです。しかし、ひとたび意識することに慣れると、だんだんとそつなくこなせるようになってきました。「線路に前輪が引っかからないか心配だった」という感想もあって、どこを注意すべきか体感できたかと思います。
次に車いすに乗ったままで電車の乗り降りを体験しました。
電車内では、複数の車いすが同じ入り口から乗ったとき、どうしたら他のお客さん等の動線を確保できるかを考えてもらいながら乗りました。
大阪城公園では、車いすに乗っている障害者の気持ちをより体験してもらうために、座面に正座し、車いすの振動が直に伝わることを実感してもらいました。座面のクッション性にもよりますが、車輪からの振動がダイレクトに来るため、振動を抑えるためには路面の状態も判断しなければなりません。受講生の中には「怖さ」を感じた者もいたようで、どうすれば快適に車いす操作ができるか考えてもらういいきっかけになったと思います。
天守までの坂道は、一人で押すのと、もう一人に引っ張ってもらいながら押すことを体験してもらいました。こうすることで、二人だと坂道がいかに楽に登れるかということが実感できたかと思います。実際、受講生からもこれほど楽になるとは思わなかったという感想が多かったです。
帰り道では、この日の暑さもあって疲れも出ている様子でした。車いすは路面に近いこともあり、放射熱で乗っている人はより暑く感じます。この体験から、車いすに乗った障害者の気持ちを体感できたと思います。
安全に配慮し、路面の状態を瞬時に判断し、なおかつ乗ってる人にも快適に感じてもらうにはどうしたらいいか、それらを総合的に判断するための経験になったかと思います。実際一日車いすを押してもらい、帰り道は上手くなっていました。
今後、様々な分野で活躍される受講生の方々にとって、車いす利用者のことを考えてもらう機会になったと思います。車椅子だと何がバリアになっているのか、どこに障害があるのか、様々な判断をする上でこれらのことを念頭に置いてもらうことが、バリアフリーの前進につながります。
最後に、くれぐれも段差に前輪をひっかけないよう気をつけてください。
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