私たちは何をするべきか問われている
こんにちは。自立生活センター・ナビの山下です。新型コロナウイルスの流行で外出自粛するよう言われていますが、みなさん、いかがお過ごしですか?私は、外出自粛は我慢出来ても、食欲自粛には耐えれず、ストレスで食欲が増えています。
世の中が、コロナの影響で様々な差別が起こらないことを願うばかりです。
差別といえば、2016年7月26日未明、神奈川県相模原市の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で元施設の職員植松聖が刃物で入所者19人を刺殺し、入所者・職員合わせて26人に重軽傷を負わせた事件が起こりました。今回は、相模原事件に対する思い、植松聖被告に対する思い、社会に対する思いを掲載したいと思います。
2020年1月8日に初公判、3月16日には判決公判が行われ死刑判決が下されましたが、
植松被告を絶対に許すことはできない。でも、それだけで終わらせてはいけない。死刑判決が出たが、それで良かったでは済まされない。なぜなら、罪を裁くだけで障害者への差別、命の選別という問題が解決するわけではないからだ。
植松被告は、ずっと「重度障害者は社会からいなくなった方がいい」「障害者は不幸しか生み出さない」と主張し殺傷行為を正当化してきた。とても、障害者を差別した身勝手な考えだ。なぜ、こういう考えに至ったのか。施設で働いている姿を同僚はどう見て、どう感じていたのか、フォローは出来なかったのか。と考えると個人の問題だけではないように思う。障害者に対して差別や偏見があったり、優生思想の考え方がなくならない限り、第2、第3の植松被告が生まれる可能性がある。
この事件に対して何が原因なのか、社会全体はどう行動するべきなのか、それを考えていかないと不安や恐怖だけが残る。このままでは、社会もマスコミも一気に風化のスピードが速くなる。それでは、なんの解決にもならない。風化させないためにも、私たち個人として何ができるのか。障害者団体として何ができるのかを考えていく必要がある段階にきていると感じる。
ちゅうぶは、学校との交流活動を行っている。小学校や中学校では「生い立ち」や「障害は障害者自身にあるのではなく社会の側にある」等を中心に話をし、高校生に対しては、相模原事件、優生思想について一緒に考える講義を行なっている。子どもの頃から「障害者と交流をすること」や「身近なことから伝えること」「障害者も社会で生きているということ」を発信していくことが大事だ。また、大学生には、実際に障害者の介護に入ってもらっており、学生の中には、今まで障害者との関わりがなかった人もいる中で、介護を通して障害者のことを伝えていき、知ってもらうことも大切。その経験が、今後、社会に出ていく学生にとっても「障害者と関わったこと。」は、大きな意味があるし、卒業後も障害者関係の仕事に携わってくれる人がいたら嬉しい。話が相模原事件から逸れたかもしれないが、これから、インクルーシブな社会に変えていけるのか、障害者を排除する社会に向かわせてしまうのか。一番、怖いのは一人一人が無関心であることだと思う。
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