- ちゅうぶの日常
- 2018.09.17 (月)
- [ 相談支援/ナビ ]
出会いがない!
「出会いがないのよ、誰か紹介してよー。」
そう話したのは、関東から引っ越して一人暮らしをしているAさん。
知的に障害があって、それ以上に緊張して色々な症状が出るので一般就労が少し難しい。
通っているB型では重度の人が多く、なかなか恋愛とか付き合うまで進展しにくいらしい。
大阪は地元じゃないから、学校時代の知り合いもいない。
そうなると、どこで友だちや彼氏をさがすかとなると、携帯のサイトやラインで友だちを増やすのが手っ取り早いし、何より直接あわないでのやりとりなので、楽しい。
たくさんのライン友だちができて、朝から夜遅くまでやり取りしていたら、寂しさも吹き飛ぶに違いない。
けれど先日サイトで明らかに騙されているのにとても嬉しそうにやり取りしていた人がいた。
相手は貿易会社で働いていていかにも仕事ができてお金もありそうでかっこ良さそう。
ちょっと待って、そんなバリバリ仕事してお金もある人が、こんなサイトで友だち探しする?騙されてお金を巻き上げられてる人もいるよとアドバイスした。
そういうことがあったから、サイトでは気をつけてねと言った時に返ってきた言葉が冒頭の言葉だった。
本当にそうだなと思った。障害をもつ人が、地元を離れて生活し始めたら、どこに出会いの場があるのだろうか?
障害を持たない人と出会う場はどこにあるのだろうか?
福祉サービスはどんどん充実してきているけど、結局障害を持つ人ばかりがそこに集められ、障害を持たない人がスタッフ=支援者、障害を持つ人=利用者で支援される人と分けられている。
支援者はあくまでも労働時間の中での一方通行の関係になりがちで、お互いの家に普通に遊びに行ったり一緒にご飯を食べたりできるような関係って逆に作りにくくなっている気がする。
制度や資格がなかったころは、一部の障害者しか自立したり外出したりできなかったけど、時間や内容での制限などは何もなく、介護者でありながら、同士であり、友人でもあったように思う。
福祉サービスが充実し、多くの障害者が街に出たり地域での生活が実現できるようになってきた。しかし、生活はできるが、本当に地域でそこに住んでいる人たちと出会えているのだろうか?
サービスではない関係ができているのだろうか?
冒頭の「出会いの場がないのよ。誰か紹介してよー。」はこれから私たちがどのような方向に進もうとするのかを考える際に、とても重要なメッセージが含まれているように思う。
ナビ 西川
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