介護ってどんな感じ?突撃レポート 2
ちゅうぶでは、多くの重度障害者が地域で自立生活を送っていますが、たくさんの大学生の皆さんが介護に入り、自立生活を支えてくれています。
今回は、最近介護に入り始めた伊藤志歩さんにインタビュー、ということで、9月中旬、介護中の後藤寛子さんのお宅にお邪魔しました!
西尾)ではまず、自己紹介をお願いします。伊藤さんは、今年7月から介護研修 を始めて、8月から一人で後藤さんの夜の介護に入ってくれてますね。
伊藤)はい。伊藤志歩です。大阪教育大学の教育協働学科、グローバル教育先攻、英語コミュニケーションコース1回生です。
西尾)長くて難しいね・・・。将来は何になるの?
伊藤)高校の英語の先生になります。
西尾)後藤さんの介護に入るまで、障害のある人と関わった事はありますか?
伊藤)こんなに身近に接したのは初めてです。学校で交流の取り組みで関わるくらいだったので。
西尾)ちゅうぶで介護に入るきっかけは?
伊藤)もともと興味はあったんです。ちょうど、後藤さん宅でもたまたま優性思想の資料見たんですけど、高校の時、授業でナチスドイツの思想とかに衝撃を受けて(ホロコースト、ユダヤ人虐殺の前にも障害者がたくさん殺された事・・・)、社会の在り方とか考えるきっかけになって。大学に入って共生社会論の授業を取ったんですが、その教授に話したら、ちゅうぶを教えてくれました。その先生も学生時代にヘルパーをやってたそうで、障害者と関わってどうだったとか、気付きとか話してくれて。
後藤・西尾)真面目じゃん(笑)。良い出会いやったね。
西尾)実際介護やってみて、どうですか?
伊藤)楽しいです。毎日、良い雰囲気で話が出来て、ありがたいです。
西尾)介護やる前と実際介護やるようになってからと、どう変わった?
伊藤)会う前に、言語障害のある人の介護に入ってもらうと職員さんから聞いて、その時は、自分にできるか、コミュニケーションが取れるか不安だったけど、入ってみたら、察する事ができるし、努力したら言いたい事は分かるものだなぁと思いました。思ったよりしっかりコミュニケーション取れるのが嬉しいし、そこがギャップですね。
西尾)回数重ねると、想像できる事が増えるよね。逆にとまどいはない?
伊藤)そうですねぇ・・・あっ、ご飯食べる一口の加減が分からない(笑)。こぼしてしまったら、多かった、ゴメンナサイと。自分なら3口でいくけどなぁとか。
後藤)私も口、大きいで(笑)
西尾)この前、伊藤さんは後藤さんの介護は「癒し」ですと言ってたけど、どういうこと?
伊藤)他のアルバイトは高圧的な人が多くて・・・。後藤さんの介護はそんなことないし、流れがゆっくりで、昔の思い出のアルバム見せてくれたりしてフレンドリーで、ありがたいです。
西尾)「癒し」と言われてますが、後藤さんはどうですか?
後藤)私は癒してるつもりはないけどなぁ(笑)
西尾)癒すつもりなくて癒せてるっていうのは、いいですねぇ。
伊藤)最近は文字盤も使ったりしてコミュニケーションしてます。この前、「アスパラ」が聞き取れなくて。アスパラが食べたかったんだと。
西尾)介護で後藤さんに怒られた事はない?
伊藤)怒られたことは・・・ないですねぇ。
西尾)後藤さんは伊藤さんの事、どう思いますか?
後藤)初めからわりとしっかり聞き取ってくれるし、仕事が早い(てきぱきしてる)。で、明るくて面白い。
伊藤)あっ、抱える時、思わず「よっこらせ」と言ってしまい、後藤さんに笑われてます(笑)
西尾)お褒めの言葉をたくさんもらったけど、後藤さんから伊藤さんに注文はないですか?
伊藤)こわいよー(笑)
後藤)まあ、注文というか、これからも色々出てくるかなと思うけど、話が通じる(コミュニケーションが取れてる)から、なんとかなると思います。末永くよろしく!
西尾)では、伊藤さん。最後に、今、介護やってみようかどうしようかと迷っている学生さんがいたら、どう声かけますか?
伊藤)介護、めちゃめちゃお勧めです。迷ったら、やってみた方がいい。やって良かったと思います。
後藤)無理やり言わせてない(笑)?
西尾)いやいや、心からの声よねー?
伊藤)はい!
夜の介護中、最後のリラックスタイムにお邪魔したのですが、力まず、楽しく、良い雰囲気で介護してくれている様子が伺えました。
こんな風に関わってくれる学生さんが増えてくれたらありがたいですね。
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